歯列矯正治療に必要な時間
歯列矯正治療は、通常むし歯などでの通院に比べて長い通院期間が必要となります。むし歯の治療のために歯科医院に通院する場合、ほとんどの場合週に1~2回と言われます。しかし歯列矯正治療においては、普通通院は3~5週間に一度の非常に長いスパンで行われるようになっています。
よく歯科医院に通院する人の声として、「早く治したいからできるだけ通院期間を短く、集中してするようにしてほしい」というものが聞かれます。ですが、いくら患者さんが希望をしたからといって、簡単に歯列矯正治療の期間を短くすることはできません。あまりにも短期間で強引に治療を行なってしまうと、歯並びの根本にあたる歯根の部分が吸収してししまったり、歯を作る歯槽骨が急激に減少してしまったりして大変危険です。
歯列矯正治療では、歯に一定方向の力を少しずつ加えてゆくことで、間違った方向を支えている歯槽骨を溶かし、反対側の正しい位置の歯槽骨を再生させてゆきます。これは体のサイクルに従った方法なので、急に溶かしたり再生させたりということはできません。
理想を言えば、可能な限り長い時間をかけてゆっくりゆっくり歯を動かしてゆくことが、歯へのダメージを減らすことの出来る方法なのですが、患者さんの多くの希望などもあり、平均的に1年をかけて行うようにするのが現在の一般的な方法です。歯科医師の注意をよく守り、できるだけ長い目で歯列矯正には望むようにしておきましょう。